熊薬ニュースレター創刊号
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04微生物薬学分野三隅将吾教授らのグループは、HIV-1の複製を制御する因子を同定するために、HIV粒子を対象としたプロテオーム解析を実施してきた。その結果、GAPDHはHIV逆転写過程のプライマーとして機能するtRNALys3のウイルス粒子内取り込み量を減少させ、ウイルス複製を負に制御する因子であることを明らかにした。本研究は、HIVの抗HIV剤耐性獲得能に対抗できる新たな治療戦略を開発できる可能性がある。丸山徹教授らのグループは、感染時の生体防御システムを解析していく中で、感染部位で増加するalpha-1-酸性糖タンパク質(AGP)と一酸化窒素(NO)に着目し、両者が反応すると強力な抗菌物質として機能することを突き止めた。新規抗菌物質の発見と新薬への応用。2012年 FASEB Journal に発表齋藤秀之教授らのグループが血液中や腎臓中のインドキシル硫酸の著しい上昇とともに、Nrf2と呼ばれる転写因子(酸化ストレスの防御に働く司令塔的な役割を担うタンパク質)が活性化されていることを確認した。肝硫酸転移酵素阻害薬の 急性腎障害抑制作用を解明。2013年 Biochem.Pharmacol. に掲載HIVの複製を制御する新たな機構を解明。2012年 Retrovirology などに発表大槻純男教授らのグループは、既存の診断マーカー(CA19-9)では発見できない膵臓がんを発見できる可能性のある新たな診断マーカーを同定した。新たな画期的膵臓がんマーカーを発見。2013年 J.Proteome Res. に発表香月博志教授らのグループが、ヒト同様の脳内出血後の運動機能障害を起こすマウスモデルを確立し、このモデルを活用して、神経細胞がダメージを受けるメカニズムを解明し、脳出血が発生した後でも有効な薬物治療法の開発が期待されている。ヒトと同様の脳内出血後の運動機能障害を起こすマウスモデルを確立。2013年 PLoS One に発表甲斐広文教授らのグループは、ジョージア州立大学の炎症・免疫・感染研究センターとの共同研究成果として、PDE4B阻害薬が炎症を抑制し、そのメカニズムに脱ユビキチン化酵素であるCYLDの発現の増加を介していることを明らかにした。ホスホジエステラーゼ4B阻害薬の炎症抑制メカニズムを解明。2013年 Nature Communications に掲載有馬英俊教授らのグループは、デンドリマーとα-シクロデキストリンとの結合体(α-CDE)が、優れた遺伝子・siRNA導入能を有することを明らかにし、さらに肝臓やクッパー細胞への遺伝子・siRNA・デコイDNAの選択性を付与するために構築した糖修飾α-CDEが、新しい薬物送達法(Drug Delivery System)として広く応用される可能性を示した。2013年 Adv.Drug Delivery Rev.に掲載。製剤設計学分野分野別の論文引用数 2007年度以降 (SciValあるいはScopusにて検索)論文数15193307419化学系薬学分野物理系薬学分野生物系薬学分野医療系薬学分野9701303992384428699008論文総数引用件数引用件数の総数環境分子保健学分野 臨床薬物動態学分野薬物活性学分野薬剤学分野遺伝子機能応用学分野等

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